竜王戦に2年続けて挑戦
佐々木勇気(ささき・ゆうき)さんは、2024年と2025年の竜王戦で、2年続けて藤井聡太竜王に挑戦した八段の棋士です。スイスのジュネーブ生まれで、小学4年で小学生将棋名人になり、16歳でプロになりました。2017年には、デビューから負けなしだった藤井聡太さんの連勝を29で止めた棋士としても知られます。2026年度も、名人への挑戦権を争うA級順位戦を戦っています。
※段位・タイトル戦の登場・今年度の成績は、日本将棋連盟の棋士データベースの表示(2026年10月16日に確認)によります。対局の勝敗だけを載せ、棋譜や対局の内容は載せません。
プロフィール
| 生年月日 | 1994年8月5日(32歳) |
| 出身地 | スイス・ジュネーブ(育ちは埼玉県三郷市) |
| 師匠 | 石田和雄九段 |
| 棋士番号 | 280 |
| プロ入り(四段) | 2010年10月1日(16歳) |
| 段位 | 八段(2023年3月9日、順位戦A級への昇級で昇段) |
| タイトル | 獲得はまだありません(竜王戦に2回登場) |
| 棋戦優勝 | 2回(NHK杯 第73回・2023年度、加古川青流戦 第3期・2013年) |
| 将棋大賞 | 最多対局賞(2016年度)、升田幸三賞(2017年度) |
| 所属 | 竜王戦1組(1組4期)・順位戦A級 |
1994年にジュネーブで生まれ、2歳までフランスで暮らしたあと、帰国して埼玉県三郷市で育ちました。将棋を始めたのは5歳の正月です。水泳で中耳炎を悪くして入院し、退院後も家で静かに過ごす必要があったため、母親が将棋の道具を用意したのがきっかけだったといいます。
2004年4月、小学4年で小学生将棋名人戦に優勝しました。このときの準優勝は、のちに王位を獲得する菅井竜也さんです。同じ年の9月に奨励会に入り、2008年4月には13歳8か月で三段になりました。三段リーグでは3期続けて昇段を逃しましたが、4期目の2010年度前期に14勝4敗の1位となり、10月1日付で四段になりました。
藤井聡太さんの連勝を止めた一局
2017年7月2日、第30期竜王戦の決勝トーナメントで、デビューから公式戦29連勝中だった藤井聡太四段(当時)と対局し、勝ちました。藤井さんにとって、プロになって初めての公式戦の黒星です。この対局の直前、藤井さんは増田康宏さんに勝って、公式戦の連勝の歴代1位となる29連勝を記録していました。
対局のあとには取材の申し込みが相次ぎましたが、佐々木さんは将棋に集中したいとして、すべて断ったと伝えられています。
タイトル戦の記録
| 時期 | 棋戦 | 挑戦までの道のり | 結果 |
|---|---|---|---|
| 2024年10月〜12月 | 第37期竜王戦 | 挑戦者決定三番勝負で広瀬章人九段に2連勝 | 藤井聡太竜王に2勝4敗 |
| 2025年10月〜11月 | 第38期竜王戦 | 挑戦者決定三番勝負で石田直裕六段に2連勝 | 藤井聡太竜王に0勝4敗 |
初めてのタイトル戦となった第37期竜王戦では、第2局と第4局に勝って2勝2敗に追いつきましたが、第5局・第6局を落としました。翌年も挑戦権を手にし、2年続けての竜王戦登場となりました。2025年には第66期王位戦の挑戦者決定戦にも進みましたが、永瀬拓矢さんに敗れています。
順位戦では、第81期(2022年度)のB級1組を9勝3敗の1位で抜けてA級に上がり、2023年3月9日付で八段になりました。2023年度の第82期から、A級に在籍しています。
2026年度の主な成績
| 棋戦 | 結果(10月16日時点) |
|---|---|
| 第85期順位戦A級 | 2勝2敗(伊藤匠二冠・近藤誠也八段に勝ち、豊島将之九段・永瀬拓矢九段に敗れる) |
連盟の棋士データベースでは、2026年度の成績は10勝8敗(勝率0.556、10月16日時点)です。竜王戦は1組に在籍しています。A級は残り5局で、千田翔太八段・広瀬章人九段・佐藤天彦九段・糸谷哲郎九段・増田康宏八段との対局が残っています。
第85期順位戦A級の勝敗(10月16日時点)
| 順位 | 棋士 | 勝敗 |
|---|---|---|
| 1 | 糸谷哲郎九段 | 0勝3敗 |
| 2 | 永瀬拓矢九段 | 3勝0敗 |
| 3 | 豊島将之九段 | 4勝0敗 |
| 4 | 近藤誠也八段 | 2勝2敗 |
| 5 | 増田康宏八段 | 3勝1敗 |
| 6 | 佐々木勇気八段 | 2勝2敗 |
| 7 | 千田翔太八段 | 0勝3敗 |
| 8 | 佐藤天彦九段 | 1勝2敗 |
| 9 | 広瀬章人九段 | 2勝1敗 |
| 10 | 伊藤匠二冠 | 0勝3敗 |
日本将棋連盟の順位戦の表をもとに作成。「順位」は、前の期の成績で決まる期のはじめの序列です。A級は10人の総当たり(1人9局)で、2027年3月まで続きます。1位が名人への挑戦者になり、1位が並んだときはプレーオフで決めます。下位の2人はB級1組に下がり、同じ勝ち数なら順位が下の棋士が下がります。
次の対局とタイトル戦の日程
2026年10月16日時点で、佐々木さんが出場を決めているタイトル戦の番勝負はありません。当面の中心はA級順位戦で、1位になると2027年春の第85期名人戦で藤井聡太名人に挑戦します。
竜王戦は、2026年の第39期は藤井竜王と服部慎一郎七段の七番勝負になりました。第6局の会場の指宿白水館がある鹿児島県指宿市では、佐々木さんが2024年12月に観光大使に任命されています。竜王戦の全日程は竜王戦のページに、大盤解説会の申し込み方はタイトル戦の観戦の基本にまとめています。
棋風・得意な戦法
渋い将棋を好む棋士だとされ、デビューのころの得意戦法は矢倉でした。対局の大半は居飛車ですが、作戦として振り飛車を指すこともあります。
- 横歩取りで玉を6八に置く形を工夫した「横歩取り勇気流」を生み出し、2017年度の将棋大賞で升田幸三賞(新しい戦法や新手をたたえる賞)を受けました。大内延介九段から譲り受けた盤で研究を重ねたことが、きっかけだったと伝えられています。
- デビューのとき本人は、形勢の悪い局面でも最後まであきらめず、簡単に折れないところが長所だと話していました。
- プロ入りのときに目標として挙げたのは、タイトルの獲得と、連勝記録の更新でした。
中学までは陸上部、高校ではバスケットボール部に所属し、いまも将棋連盟のバスケットボール部で部長を務めていると話しています。対局の出前に餅をトッピングすることが多く、将棋界に「餅トッピング」が広まるきっかけになったことでも知られます。
よくある質問
佐々木勇気さんは、タイトルを持っていますか?
2026年10月16日時点では、まだ獲得していません。タイトル戦は、2024年・2025年の竜王戦に2回登場しています。
藤井聡太さんの29連勝を止めたのは、いつですか?
2017年7月2日の第30期竜王戦決勝トーナメントです。藤井さんにとって、公式戦で初めての負けでした。
スイス生まれなのは、なぜですか?
1994年にスイスのジュネーブで生まれ、2歳までフランスで暮らしました。その後に帰国し、埼玉県三郷市で育っています。連盟の出身地の表記もジュネーブです。
「勇気流」とは、どんな戦法ですか?
横歩取りという戦型で、玉を6八の地点に置いて戦う指し方です。佐々木さんが考え出し、2017年度の升田幸三賞に選ばれました。
タイトル戦のほかに、どんな棋戦で優勝していますか?
テレビで放送されるNHK杯で、2023年度の第73回に優勝しています。若手棋士の棋戦である加古川青流戦でも、2013年の第3期に優勝しました。将棋大賞では、2016年度に年間の対局数がいちばん多い棋士に贈られる最多対局賞を受けています。
師匠はだれですか?
石田和雄九段です。佐々木さんは小学生のころから石田九段の門下で、2004年9月に奨励会に入りました。
小学生名人になったのは、何年生のときですか?
小学4年だった2004年です。小学4年での優勝は、1994年の渡辺明さん以来でした。
参考にした情報
- 日本将棋連盟 棋士データベース「佐々木勇気」
- 日本将棋連盟 棋戦情報(順位戦A級・竜王戦)
- ウィキペディア「佐々木勇気」「藤井聡太」

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