竜王戦の挑戦者
服部慎一郎(はっとり・しんいちろう)さんは、2026年度に棋聖戦と竜王戦の2つのタイトル戦に登場した七段の棋士です。富山県出身の27歳で、若手の登竜門とされる新人王戦で3回優勝しています。2026年10月からは、藤井聡太竜王に挑む第39期竜王戦七番勝負を戦っています。勝てば初めてのタイトル獲得になります。
※段位・今年度の成績などは、日本将棋連盟の棋士データベースの表示(2026年10月16日に確認)によります。対局の勝敗だけを載せ、棋譜や対局の内容は載せません。
プロフィール
| 生年月日 | 1999年8月2日(27歳) |
| 出身地 | 富山県富山市 |
| 師匠 | 中田章道七段 |
| 棋士番号 | 322 |
| プロ入り(四段) | 2020年4月1日(20歳) |
| 段位 | 七段(2025年2月5日、順位戦B級1組への昇級で昇段) |
| タイトル | 獲得はまだありません(登場は2026年の棋聖戦が初めて) |
| 棋戦優勝 | 4回(新人王戦3回、加古川青流戦1回) |
| 将棋大賞 | 新人賞・最多対局賞(2022年度)、勝率一位賞(2024年度) |
| 所属 | 竜王戦2組・順位戦B級1組 |
小学3年の夏、担任の先生から子ども向けの将棋大会の案内をもらって出場し、負けたのが悔しくて本格的に将棋を始めました。小学校の途中までは富山県魚津市で過ごし、地元の公民館の将棋サークルにも通っています。小学5年で関西の研修会に入り、2013年4月に奨励会へ。中学3年のときに大阪府へ移り、2017年10月に三段になりました。2019年度後期の三段リーグを14勝4敗の1位で抜け、2020年4月1日付でプロになりました。
これまでの記録とタイトル戦
プロ入り後は、若手が出場する棋戦で結果を残してきました。新人王戦の3回優勝は、この棋戦の最多に並ぶ記録です。
| 年 | 棋戦 | 結果 |
|---|---|---|
| 2021年 | 第11期加古川青流戦 | 優勝(決勝三番勝負で井田明宏四段に2勝1敗) |
| 2022年 | 第53期新人王戦 | 優勝(決勝で黒田尭之五段に2勝1敗) |
| 2024年 | 第55期新人王戦 | 優勝(決勝で高田明浩五段に2連勝) |
| 2025年 | 第56期新人王戦 | 優勝(決勝で斎藤明日斗六段に2勝1敗) |
| 2026年6月〜7月 | 第97期棋聖戦五番勝負 | 初のタイトル挑戦。藤井聡太棋聖に0勝3敗 |
| 2026年10月〜 | 第39期竜王戦七番勝負 | 藤井聡太竜王に挑戦中(第1局を落として0勝1敗) |
2019年の加古川青流戦では、三段のまま決勝に進んで準優勝しました。そのとき「四段になってこの舞台に戻ってきたい」と話し、言葉どおりプロ入り後の2021年に優勝しています。
2026年度の主な成績
2026年度は、服部さんにとって飛躍の年になっています。棋聖戦では二次予選から勝ち上がって初めての挑戦権をつかみ、竜王戦ではランキング戦2組で優勝して決勝トーナメントに進みました。
| 棋戦 | 時期 | 結果 |
|---|---|---|
| 第97期棋聖戦五番勝負 | 2026年6月〜7月 | 藤井聡太棋聖に0勝3敗 |
| 第39期竜王戦 挑戦者決定三番勝負 | 2026年8月 | 柵木幹太五段に2勝1敗で挑戦権を獲得 |
| 第39期竜王戦七番勝負 | 2026年10月〜 | 第1局(10月9日・10日、東京・セルリアンタワー能楽堂)は藤井竜王の勝ち |
| 第85期順位戦B級1組 | 2026年度 | 4勝2敗(10月16日時点) |
竜王戦の挑戦者決定三番勝負は、5組優勝から勝ち上がってきた柵木幹太五段との対戦でした。8月4日の第1局(関西将棋会館)を落としましたが、そこから2連勝し、8月24日の第3局で挑戦を決めました。棋聖戦に続き、同じ年度に2度目のタイトル挑戦です。連盟の棋士データベースでは、2026年度の成績は19勝12敗(勝率0.613、10月16日時点)です。
第85期順位戦B級1組の勝敗(10月16日時点)
| 順位 | 棋士 | 勝敗 |
|---|---|---|
| 1 | 中村太地八段 | 2勝4敗 |
| 2 | 渡辺明九段 | 7勝0敗 |
| 3 | 大橋貴洸七段 | 4勝2敗 |
| 4 | 斎藤慎太郎八段 | 2勝5敗 |
| 5 | 服部慎一郎七段 | 4勝2敗 |
| 6 | 澤田真吾七段 | 4勝3敗 |
| 7 | 大石直嗣七段 | 1勝5敗 |
| 8 | 菅井竜也八段 | 3勝4敗 |
| 9 | 稲葉陽八段 | 3勝3敗 |
| 10 | 佐藤康光九段 | 2勝4敗 |
| 11 | 山崎隆之九段 | 3勝4敗 |
| 12 | 久保利明九段 | 3勝3敗 |
| 13 | 藤本渚七段 | 4勝3敗 |
日本将棋連盟の順位戦の表をもとに作成。B級1組は13人の総当たり(1人12局)で、2027年3月まで続きます。上位2人がA級に上がり、下位3人がB級2組に下がります。同じ勝ち数のときは「順位」(前の期の成績で決まる序列)が上の棋士が優先されます。
次の対局とタイトル戦の日程
第39期竜王戦七番勝負の、第2局からの日程です。先に4勝したほうが竜王になり、そこで七番勝負は終わります。
| 局 | 対局日 | 会場 |
|---|---|---|
| 第2局 | 10月22日(木)・23日(金) | 三嶋大社(静岡県三島市) |
| 第3局 | 11月3日(火)・4日(水) | 仁和寺(京都府京都市) |
| 第4局 | 11月20日(金)・21日(土) | 霧島創業記念館 吉助(宮崎県都城市) |
| 第5局 | 12月2日(水)・3日(木) | 増上寺(東京都港区) |
| 第6局 | 12月9日(水)・10日(木) | 指宿白水館(鹿児島県指宿市) |
| 第7局 | 12月16日(水)・17日(木) | 常磐ホテル(山梨県甲府市) |
大盤解説会の申し込み方は、タイトル戦の観戦の基本にまとめています。
竜王戦の1局の流れ
竜王戦の七番勝負は、持ち時間が各8時間の2日制です。2日にわたる対局は、次のように進みます。
| 日 | おもな出来事 |
|---|---|
| 前日 | 対局者が会場に入り、盤や照明・室温を確かめる「検分」をします。夜は前夜祭が開かれることがあります。 |
| 1日目 | 朝に対局開始。昼食休憩をはさみ、夕方の決められた時刻に、手番の棋士が次の一手を紙に書いて封筒に入れる「封じ手」をして終わります。 |
| 2日目 | 朝9時ごろに立会人が封じ手を開き、対局を再開。昼食・おやつをはさみ、夕方から夜にかけて決着することが多いです。 |
持ち時間8時間は、名人戦の9時間に次ぐ長さです。服部さんが初めて経験する2日制の番勝負で、1日目の封じ手の局面と、2日目の夕方以降の時間の使い方が見どころになります。
棋風・得意な戦法
居飛車を主に指し、決まった定跡にとらわれない力戦の将棋を好む実戦派だと紹介されています。攻めと受けでいえば、受けに強い棋士として報じられることが多い棋士です。プロ入りを伝えた2020年の毎日新聞の記事では、得意戦法は「居飛車の乱戦」と書かれていました。
- 奨励会のころ、関西の奨励会の幹事だった山崎隆之さん(現・九段)に目をかけられ、練習将棋を多く指したことが知られています。プロ入りのときには、対局したい棋士として山崎さんの名前を挙げました。
- 名字にかけて「忍者」「ニンニン」と呼ばれることがあり、本人もX(旧Twitter)で「忍者服部」と名のっています。
本人が公にしている趣味はランニングです。高校時代には漫才のコンビを組んでいたことがあり、2024年には棋士の冨田誠也さんとコンビを作ってM-1グランプリの予選に出たことも話題になりました。
よくある質問
服部慎一郎さんは、タイトルを持っていますか?
2026年10月16日時点では、まだ獲得していません。第39期竜王戦七番勝負で4勝すれば、初めてのタイトルが竜王になります。
竜王になると、段位はどうなりますか?
日本将棋連盟の昇段の決まりでは、竜王を1期獲得すると八段に上がります。
竜王戦の挑戦者には、どうやってなったのですか?
予選にあたるランキング戦の2組で優勝し、決勝トーナメントを勝ち上がりました。挑戦者決定三番勝負で柵木幹太五段に2勝1敗で勝ち、挑戦権を手にしました。
次の対局は、どこで行われますか?
竜王戦第2局は、10月22日・23日に静岡県三島市の三嶋大社で行われます。行き方や観戦イベントは、三嶋大社のページにまとめています。
参考にした情報
- 日本将棋連盟 棋士データベース「服部慎一郎」
- 日本将棋連盟 棋戦情報(竜王戦・棋聖戦・順位戦B級1組)
- ABEMA TIMES(竜王戦挑戦者決定三番勝負の記事)
- 文春オンライン Number Web(竜王戦挑戦者決定三番勝負の記事)
- 熊本日日新聞(共同通信配信)「藤井聡太、竜王戦6連覇へ白星」
- ウィキペディア「服部慎一郎」

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