棋王戦に2年続けて挑戦
増田康宏(ますだ・やすひろ)さんは、2025年と2026年の棋王戦で、2年続けて藤井聡太棋王に挑戦した八段の棋士です。東京都昭島市の出身で、16歳でプロになり、新人王戦を2連覇しました。2026年春の第51期棋王戦では、タイトル戦で初めての白星をあげ、第5局までもつれる勝負になりました。2026年度のA級順位戦では、10月16日時点で3勝1敗と勝ち越しています。
※段位・タイトル戦の登場・今年度の成績は、日本将棋連盟の棋士データベースの表示(2026年10月16日に確認)によります。対局の勝敗だけを載せ、棋譜や対局の内容は載せません。
プロフィール
| 生年月日 | 1997年11月4日(28歳) |
| 出身地 | 東京都昭島市 |
| 師匠 | 森下卓九段 |
| 棋士番号 | 297 |
| プロ入り(四段) | 2014年10月1日(16歳) |
| 段位 | 八段(2024年3月7日、順位戦A級への昇級で昇段) |
| タイトル | 獲得はまだありません(棋王戦に2回登場) |
| 棋戦優勝 | 新人王戦 2回(第47期・2016年、第48期・2017年) |
| 所属 | 竜王戦3組・順位戦A級 |
5歳のとき、母親に買ってもらったボードゲームのセットに将棋が入っていたのが、始めたきっかけです。小学校に入るころに八王子の将棋クラブに通い始め、最初の日に初段と認められたといいます。2008年9月に森下卓九段の門下として奨励会に入り、2014年10月1日付で、16歳でプロになりました。
プロ入り後は、2016年の第47期新人王戦で石田直裕四段に、2017年の第48期で佐々木大地四段に、いずれも2連勝して優勝し、新人王戦を2連覇しました。
藤井聡太さんとの対局の歩み
2017年6月26日の第30期竜王戦決勝トーナメントで、デビューから28連勝中だった藤井聡太四段(当時)と対局し、敗れました。この勝利で藤井さんは公式戦29連勝となり、連勝の歴代1位の記録を作っています。対局の前、増田さんは、勝つためには一手のミスも許されない完璧な将棋を指さなければいけないと話していました。
その後、増田さんは藤井さんを「格上の存在」と語りながら、タイトル戦の舞台で2年続けて挑戦者として向き合いました。
タイトル戦の記録
| 時期 | 棋戦 | 挑戦までの道のり | 結果 |
|---|---|---|---|
| 2025年2月〜3月 | 第50期棋王戦 | 挑戦者決定トーナメントを勝者組で勝ち上がり、挑戦者決定二番勝負で斎藤明日斗五段に勝利 | 藤井聡太棋王に0勝3敗 |
| 2026年2月〜3月 | 第51期棋王戦 | 挑戦者決定戦で再び斎藤明日斗六段に勝利 | 藤井聡太棋王に2勝3敗 |
初めてのタイトル戦だった第50期は、千日手をふくむ3局で敗れました。翌年の第51期では、第1局でタイトル戦の初勝利をあげ、2勝2敗で最終の第5局を迎えましたが、棋王の獲得はなりませんでした。
棋王戦の挑戦者決定トーナメントは、ベスト4から2敗で敗退となる仕組みです。勝者組の優勝者は、挑戦者決定二番勝負で1回勝てば挑戦権を得られます。増田さんは、第50期を勝者組から勝ち上がって挑戦しました。
順位戦の歩みと2026年度の成績
順位戦では、2020年度にC級1組からB級2組へ、2023年2月にB級1組への昇級を決めて七段になりました。2024年3月7日、B級1組の最終局で屋敷伸之九段に勝ってA級への昇級を決め、八段になっています。A級は2024年度の第83期から在籍しています。
| 棋戦 | 結果(10月16日時点) |
|---|---|
| 第85期順位戦A級 | 3勝1敗(千田翔太八段・広瀬章人九段・佐藤天彦九段に勝ち、豊島将之九段に敗れる) |
連盟の棋士データベースでは、2026年度の成績は11勝6敗(勝率0.647、10月16日時点)です。A級の残りは、伊藤匠二冠・糸谷哲郎九段・永瀬拓矢九段・近藤誠也八段・佐々木勇気八段との5局です。
第85期順位戦A級の勝敗(10月16日時点)
| 順位 | 棋士 | 勝敗 |
|---|---|---|
| 1 | 糸谷哲郎九段 | 0勝3敗 |
| 2 | 永瀬拓矢九段 | 3勝0敗 |
| 3 | 豊島将之九段 | 4勝0敗 |
| 4 | 近藤誠也八段 | 2勝2敗 |
| 5 | 増田康宏八段 | 3勝1敗 |
| 6 | 佐々木勇気八段 | 2勝2敗 |
| 7 | 千田翔太八段 | 0勝3敗 |
| 8 | 佐藤天彦九段 | 1勝2敗 |
| 9 | 広瀬章人九段 | 2勝1敗 |
| 10 | 伊藤匠二冠 | 0勝3敗 |
日本将棋連盟の順位戦の表をもとに作成。「順位」は、前の期の成績で決まる期のはじめの序列です。A級は10人の総当たり(1人9局)で、2027年3月まで続きます。1位が名人への挑戦者になり、1位が並んだときはプレーオフで決めます。下位の2人はB級1組に下がり、同じ勝ち数なら順位が下の棋士が下がります。
次の対局とタイトル戦の日程
2026年10月16日時点で、増田さんが出場を決めているタイトル戦の番勝負はありません。2年続けて挑戦した棋王戦は、第52期の挑戦者決定トーナメントが進んでいます。第52期棋王戦五番勝負は例年2月〜3月で、日程と会場は発表され次第、棋王戦のページに載せます。
A級順位戦で1位になると、2027年春の第85期名人戦で藤井聡太名人に挑戦します。大盤解説会の申し込み方は、タイトル戦の観戦の基本にまとめています。
あゆみ(年表)
| 年月 | できごと |
|---|---|
| 2008年9月 | 奨励会に入会(6級) |
| 2014年10月 | 四段(プロ入り)。16歳 |
| 2016年10月 | 第47期新人王戦で優勝(プロ入り後の初優勝) |
| 2017年6月 | 竜王戦決勝トーナメントで藤井聡太四段と対局 |
| 2017年10月 | 第48期新人王戦で優勝(2連覇) |
| 2018年 | 五段(1月)・六段(5月) |
| 2023年2月 | 順位戦B級1組への昇級を決め、七段 |
| 2024年3月 | 順位戦A級への昇級を決め、八段 |
| 2025年2月 | 第50期棋王戦でタイトル戦に初登場 |
| 2026年2月 | 第51期棋王戦でタイトル戦の初勝利 |
棋風・得意な戦法
角換わりと相掛かりを得意にする居飛車党です。以前は矢倉を得意にしていました。
- 2017年のインタビューで「矢倉は終わった」と語り、銀冠・穴熊・雁木を多く指していた時期がありました。その後、矢倉が再び指されるようになると、本人は「終わったは言い過ぎでした」と話しています。
- 対局のあとの感想戦には否定的な考えを示しており、すぐに帰って研究するほうが効率的だと語っています。
- 三段のころから詰将棋を解いていなかったものの、2022年に「最近、詰将棋を解くようにした」と話し、それが成績につながったかもしれないと振り返りました。
本人が語っている趣味はピアノで、好きな歌手はYUIさん、あこがれの棋士は升田幸三実力制第四代名人、アメリカのプロバスケットボールNBAのファンでもあります。
よくある質問
増田康宏さんは、タイトルを持っていますか?
2026年10月16日時点では、まだ獲得していません。2025年と2026年の棋王戦に2回登場し、藤井聡太棋王に0勝3敗、2勝3敗でした。
藤井聡太さんの29連勝目の相手だったのですか?
はい。2017年6月26日の竜王戦決勝トーナメントで、藤井さんが公式戦29連勝を記録した対局の相手が増田さんでした。
「矢倉は終わった」とは?
2017年に増田さんが、矢倉という戦法について語った言葉です。当時は将棋ソフトの研究が広がり、矢倉が減っていた時期でした。のちに本人は「言い過ぎでした」と話しています。
A級順位戦には、いつから出ていますか?
2024年度の第83期からです。2024年3月にB級1組の最終局で勝ってA級への昇級を決めました。
師匠はだれですか?
森下卓九段です。2008年9月に森下九段の門下として奨励会に入りました。
新人王戦では、何回優勝していますか?
2回です。2016年の第47期と2017年の第48期で、2年続けて優勝しました。どちらも決勝三番勝負を2連勝で制しています。
参考にした情報
- 日本将棋連盟 棋士データベース「増田康宏」
- 日本将棋連盟 棋戦情報(順位戦A級・棋王戦)
- ウィキペディア「増田康宏」「棋王戦 (将棋)」「藤井聡太」

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