伊藤匠(いとう・たくみ)|タイトル獲得の記録・今期の成績・次のタイトル戦の対局日程

伊藤匠
叡王・王座の二冠

伊藤匠(いとう・たくみ)さんは、2026年10月16日時点で叡王と王座の2つのタイトルを持つ棋士です。藤井聡太さんと同じ2002年生まれで、2024年に藤井さんから叡王を奪い、八冠を崩した棋士として知られます。2026年度はA級順位戦に初めて入り、王位戦では藤井さんに挑戦しました。いまは第74期王座戦で、王座の防衛戦を戦っています。

※タイトルの期数・段位・今年度の成績は、日本将棋連盟の棋士データベースの表示(2026年10月16日に確認)によります。対局の勝敗だけを載せ、棋譜や対局の内容は載せません。

プロフィール

生年月日 2002年10月10日(24歳)
出身地 東京都世田谷区
師匠 宮田利男八段
棋士番号 324
プロ入り(四段) 2020年10月1日(17歳)
段位 九段(2025年10月28日、タイトル通算3期で昇段)
いまのタイトル 叡王・王座(二冠)
タイトル獲得 通算4期(タイトル戦の登場は7回)
棋戦優勝 新人王戦 1回(第52期・2021年)
所属 竜王戦1組・順位戦A級

5歳のクリスマスに盤と駒をもらい、父から将棋を教わったのが始まりです。まもなく師匠の宮田利男八段が開く東京・三軒茶屋の将棋教室に通うようになりました。小学生のころから全国大会で活躍し、2012年1月の全国小学生将棋大会では、準決勝で藤井聡太さんに勝って準優勝しています。2013年に奨励会に入り、2020年9月の三段リーグを14勝2敗の1位で抜けて、10月1日付でプロになりました。

タイトル獲得の歴史

タイトル 期数 獲得した期と相手
叡王 3期 第9期(2024年6月、藤井聡太叡王に3勝2敗)・第10期(2025年6月、斎藤慎太郎八段に3勝2敗で防衛)・第11期(2026年5月、斎藤八段に3勝2敗で防衛)
王座 1期 第73期(2025年10月、藤井聡太王座に3勝2敗)

初めてのタイトル戦は、2023年の第36期竜王戦です。20歳で藤井竜王に挑み、0勝4敗でした。続く第49期棋王戦でも藤井棋王に挑戦し、1局の持将棋をはさんで0勝3敗でした。3度目の挑戦となった2024年の第9期叡王戦で、第2局で藤井さんから初めての白星をあげ、最終の第5局を制して初タイトルを手にしました。藤井さんがタイトル戦で敗れたのは、これが初めてでした。

2025年10月28日には、第73期王座戦で再び藤井さんをフルセットで破り、二冠になりました。叡王の防衛戦は、2025年・2026年とも斎藤慎太郎八段との五番勝負が第5局までもつれ、どちらも3勝2敗で防衛しています。

タイトル戦の登場の一覧

伊藤さんのタイトル戦の多くは、藤井聡太さんとの番勝負です。これまでの登場を、時期の順に並べます(勝敗は伊藤さんから見た数)。

時期 棋戦 相手 結果
2023年10月〜11月 第36期竜王戦 藤井聡太竜王 0勝4敗
2024年2月〜3月 第49期棋王戦 藤井聡太棋王 0勝3敗(持将棋1局)
2024年4月〜6月 第9期叡王戦 藤井聡太叡王 3勝2敗で叡王を獲得
2025年4月〜6月 第10期叡王戦 斎藤慎太郎八段 3勝2敗で防衛
2025年9月〜10月 第73期王座戦 藤井聡太王座 3勝2敗で王座を獲得
2026年4月〜5月 第11期叡王戦 斎藤慎太郎八段 3勝2敗で防衛
2026年7月〜9月 第67期王位戦 藤井聡太王位 2勝4敗
2026年9月〜 第74期王座戦 広瀬章人九段 2勝2敗(10月27日に第5局)

獲得した2つのタイトルは、どちらも藤井さんとの五番勝負をフルセットで制したものです。一方、藤井さんとの七番勝負(竜王戦・王位戦)は2回とも敗れており、王将戦の挑戦者決定リーグで勝ち抜けば、3回目の七番勝負になります。

2026年度の主な成績

棋戦 時期 結果
第11期叡王戦五番勝負 2026年4月〜5月 斎藤慎太郎八段に3勝2敗で防衛(3連覇)
第67期王位戦七番勝負 2026年7月〜9月 挑戦者として藤井聡太王位に2勝4敗
第74期王座戦五番勝負 2026年9月〜10月 広瀬章人九段を迎えて2勝2敗(第5局へ)
第85期順位戦A級 2026年度(2027年3月まで) 初のA級。3局を終えて0勝3敗
第76期王将戦 挑戦者決定リーグ 2026年秋 3勝0敗(7人のリーグ。10月16日時点)

王位戦の挑戦権は、白組のプレーオフで藤本渚七段・古賀悠聖さんに連勝し、挑戦者決定戦で羽生善治九段に勝って手にしました。順位戦は、前の期(第84期)にB級1組を10勝2敗で抜け、3期連続の昇級でA級に入っています。連盟の棋士データベースでは、2026年度の成績は15勝17敗(10月16日時点)です。タイトル戦の番勝負で、藤井さんや広瀬さんなどトップ棋士との対局が続いているのが、2026年度の特徴です。

第85期順位戦A級の勝敗(10月16日時点)

順位 棋士 勝敗
1 糸谷哲郎九段 0勝3敗
2 永瀬拓矢九段 3勝0敗
3 豊島将之九段 4勝0敗
4 近藤誠也八段 2勝2敗
5 増田康宏八段 3勝1敗
6 佐々木勇気八段 2勝2敗
7 千田翔太八段 0勝3敗
8 佐藤天彦九段 1勝2敗
9 広瀬章人九段 2勝1敗
10 伊藤匠二冠 0勝3敗

日本将棋連盟の順位戦の表をもとに作成。「順位」は、前の期の成績で決まる期のはじめの序列です。A級は10人の総当たり(1人9局)で、2027年3月まで続きます。1位が名人への挑戦者になり、1位が並んだときはプレーオフで決めます。下位の2人はB級1組に下がり、同じ勝ち数なら順位が下の棋士が下がります。

次の対局とタイトル戦の日程

目の前にあるのは、第74期王座戦五番勝負の第5局です。2勝2敗で迎える最終局で、勝てば王座の防衛、敗れれば広瀬章人九段が新しい王座になります。

対局 対局日 会場
王座戦 第5局 10月27日(火) 常磐ホテル(山梨県甲府市)

王将戦の挑戦者決定リーグで1位になると、2027年1月から藤井聡太王将との第76期王将戦七番勝負に出ます。第1局は2027年1月11日・12日、島根県大田市のさんべ荘の予定です。叡王の防衛戦(第12期叡王戦)は、例年どおりなら2027年4月ごろに始まります。

大盤解説会の申し込み方や当日の流れは、タイトル戦の観戦の基本にまとめています。

棋風・得意な戦法

居飛車を主に指す棋士で、三段のころは相掛かりが得意でした。プロ入り後は角換わりも主力にしています。角換わりの後手番で、引き分けにあたる持将棋に持ち込む指し方(「持将棋定跡」と呼ばれました)は、2023年度の将棋大賞で升田幸三賞に選ばれました。

  • 中村太地八段は、伊藤さんの序盤の研究がとても深く、AIだけに頼らず自分で考えていると評しています。無理な攻めを避けて受ける将棋を好むこと、藤井さんとの対局では終盤まで互角に競って勝つことが多いことも挙げています。
  • 森内俊之九段は、AIの評価のよい手に加えて、大山康晴十五世名人や米長邦雄永世棋聖のような、人間らしい実戦的な手も組み合わせる棋士だと評しました。

本人は「趣味は将棋」と話し、運動不足にならないように走っていることや、プロ野球の中日ドラゴンズのファンであることをインタビューで語っています。

よくある質問

伊藤匠さんと藤井聡太さんは、同い年ですか?

同じ2002年生まれです。藤井さんが7月19日、伊藤さんが10月10日の生まれです。小学生のころから大会で対戦しており、プロになってからはタイトル戦で何度も番勝負を戦っています。

伊藤さんが持っているタイトルは何ですか?

2026年10月16日時点で、叡王(3期)と王座(1期)の二冠です。王座は、10月27日の第74期王座戦第5局で防衛か失冠かが決まります。

A級順位戦には、いつから出ていますか?

2026年度の第85期からです。第84期のB級1組で10勝2敗となり、A級に上がりました。

王座戦の第5局は、会場で観戦できますか?

対局室は公開されないことが多いですが、大盤解説会などが開かれることがあります。案内が出たときは、常磐ホテルのページに載せます。

参考にした情報

  • 日本将棋連盟 棋士データベース「伊藤匠」
  • 日本将棋連盟 棋戦情報(王座戦・王位戦・王将戦挑戦者決定リーグ・順位戦A級)
  • ウィキペディア「伊藤匠」「叡王戦」

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